建設業許可は29業種ごとに個別取得が原則です。どの業種になるかは工事の名称ではなく、告示(昭和47年建設省告示第350号)が定める「建設工事の内容」に当てはめ、重複する場合は建設業許可事務ガイドラインの「建設工事の区分の考え方」で切り分けます。29業種の一覧表、建築一式工事の誤解、昇降機・太陽光・浄化槽・鉄骨など迷いやすい工事の区分、業種を間違えたときの対処まで実務目線で整理しました。

【結論】建設業許可は29業種(一式工事2業種+専門工事27業種)ごとに個別に取得する必要があり、どの業種に当たるかは「工事の名称」ではなく、①告示(昭和47年建設省告示第350号)が定める「建設工事の内容」に当てはめ、②複数業種と重なる場合は建設業許可事務ガイドラインの「建設工事の区分の考え方」で切り分ける、という順番で判断します。特に誤解が多いのが建築一式工事で、この許可があっても500万円(税込)以上の専門工事を単独で請け負うことはできません。グレーな工事は自己判断せず、契約前に許可行政庁または行政書士へ工事内容を示して確認するのが最も安全です。

建設業許可を取ろうとしたとき、多くの事業者がまず直面するのが「自分はどの業種で取ればいいのか」という問題です。建設業法では29種類の業種が定められていますが、その区分は意外と複雑で、業種選びを間違えると許可が取れても実務で使えなかったり、最悪の場合は無許可営業になってしまうリスクがあります。

この記事では、29業種の一覧と工事の内容を押さえたうえで、国土交通省が示す判断の手順、特に誤解の多い『一式工事』の落とし穴、そして昇降機・太陽光・浄化槽・鉄骨など実務で迷いやすい工事の区分を、一次情報にもとづいて整理します。

建設業許可の29業種とは?【業種一覧と工事の内容】

結論:建設業許可は29業種に分かれており、営業しようとする業種ごとに個別に取得する必要があります(建設業法第3条)。

建設業法第2条および別表第一では、建設工事を29の種類に分類しています。それぞれの業種がどの工事を指すのかは、建設業法第2条第1項の別表の上欄に掲げる建設工事の内容を定めた告示(昭和47年建設省告示第350号)で定義されています。この29業種は大きく2つのグループに分かれます。

一式工事(2業種)とは

一式工事とは、総合的な企画、指導及び調整のもとに土木工作物または建築物を建設する工事のことで、原則として元請の立場で行うものです。

業種名建設工事の内容(告示)
土木一式工事業総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事(補修、改造又は解体する工事を含む)
建築一式工事業総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事

専門工事(27業種)とは

専門工事とは、個別の技術分野に特化した工事のことです。告示が定める工事の内容は次のとおりです。

業種名建設工事の内容(告示)
大工工事業木材の加工又は取付けにより工作物を築造し、又は工作物に木製設備を取付ける工事
左官工事業工作物に壁土、モルタル、漆くい、プラスター、繊維等をこて塗り、吹付け、又ははり付ける工事
とび・土工・コンクリート工事業足場の組立て、重量物のクレーン等による運搬配置、鉄骨等の組立て/くい打ち・くい抜き/土砂等の掘削・盛上げ・締固め/コンクリートによる工作物の築造/その他基礎的ないしは準備的工事
石工事業石材(コンクリートブロック及び擬石を含む)の加工又は積方により工作物を築造し、又は工作物に石材を取付ける工事
屋根工事業瓦、スレート、金属薄板等により屋根をふく工事
電気工事業発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事
管工事業冷暖房、冷凍冷蔵、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、又は金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事
タイル・れんが・ブロック工事業れんが、コンクリートブロック等により工作物を築造し、又は工作物にれんが、コンクリートブロック、タイル等を取付け、又ははり付ける工事
鋼構造物工事業形鋼、鋼板等の鋼材の加工又は組立てにより工作物を築造する工事
鉄筋工事業棒鋼等の鋼材を加工し、接合し、又は組立てる工事
舗装工事業道路等の地盤面をアスファルト、コンクリート、砂、砂利、砕石等により舗装する工事
しゅんせつ工事業河川、港湾等の水底をしゅんせつする工事
板金工事業金属薄板等を加工して工作物に取付け、又は工作物に金属製等の付属物を取付ける工事
ガラス工事業工作物にガラスを加工して取付ける工事
塗装工事業塗料、塗材等を工作物に吹付け、塗付け、又ははり付ける工事
防水工事業アスファルト、モルタル、シーリング材等によって防水を行う工事
内装仕上工事業木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事
機械器具設置工事業機械器具の組立て等により工作物を建設し、又は工作物に機械器具を取付ける工事
熱絶縁工事業工作物又は工作物の設備を熱絶縁する工事
電気通信工事業有線電気通信設備、無線電気通信設備、ネットワーク設備、情報設備、放送機械設備等の電気通信設備を設置する工事
造園工事業整地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、建築物の屋上等を緑化し、又は植生を復元する工事
さく井工事業さく井機械等を用いてさく孔、さく井を行う工事又はこれらの工事に伴う揚水設備設置等を行う工事
建具工事業工作物に木製又は金属製の建具等を取付ける工事
水道施設工事業上水道、工業用水道等のための取水、浄水、配水等の施設を築造する工事又は公共下水道若しくは流域下水道の処理設備を設置する工事
消防施設工事業火災警報設備、消火設備、避難設備若しくは消火活動に必要な設備を設置し、又は工作物に取付ける工事
清掃施設工事業し尿処理施設又はごみ処理施設を設置する工事
解体工事業工作物の解体を行う工事

なお、解体工事業は平成28年6月1日施行の法改正で新設され、29業種となりました。

ポイントは、建設業法第3条の規定により、許可は業種ごとに個別に与えられるということです。つまり、電気工事を請け負いたければ電気工事業の許可が必要であり、管工事を請け負いたければ管工事業の許可が必要です。1つの許可で複数の業種をカバーすることはできません。

業種はどうやって判断するのか?【3つのステップ】

結論:①告示の「建設工事の内容」に当てはめ、②ガイドラインの「例示」で具体的な工事名を確認し、③複数業種と重なる場合は「建設工事の区分の考え方」で切り分ける、という順番で判断します。

ステップ見るもの内容
ステップ1建設工事の内容(告示)昭和47年建設省告示第350号。各業種が対象とする工事を定義した条文レベルの基準
ステップ2建設工事の例示(ガイドライン)建設業許可事務ガイドラインが示す具体的な工事名(例:「運搬機器設置工事」「屋根ふき工事」など)
ステップ3建設工事の区分の考え方(ガイドライン)複数の業種にまたがって見える工事について、どちらに区分するかを国が示したもの

実務で迷うのは、ほぼすべてステップ3の場面です。名称が同じ工事でも、施工の範囲や設置場所によって業種が変わるため、ガイドラインの「区分の考え方」を確認せずに感覚で決めるのが最も危険です。

建築一式工事の許可で専門工事はできるのか?

結論:建築一式工事の許可を持っていても、500万円(税込)以上の専門工事を単独で請け負うことはできません。法律上、一式工事と専門工事がまったく別の許可業種として扱われるためです。

実務ではこういう相談が多い
『建築一式を取ったから、内装工事でも電気工事でも何でもできると思っていた。元請から専門工事の許可がないと発注できないと言われて初めて問題に気づいた。』――こうしたご相談は非常に多いです。

なぜ一式工事で専門工事ができないのか

一式工事とは、建設業法別表第一において『総合的な企画、指導及び調整のもとに建築物(または土木工作物)を建設する工事』と定義されています。これは原則として元請の立場で、複数の専門工事を取りまとめて施工を管理する役割を指します。

一方、専門工事は個別の技術分野に特化した工事です。法律上、一式工事と専門工事は完全に別のカテゴリであり、一式工事の許可に専門工事の許可が含まれるわけではありません。

したがって、建築一式工事の許可のみを持つ事業者が、例えば内装仕上工事や管工事などの専門工事を500万円以上の金額で単独で請け負った場合、無許可営業に該当する可能性があります。建設業法第3条に違反すれば、拘禁刑や罰金といった刑事罰の対象にもなり得るため、十分な注意が必要です(※2025年6月1日施行の改正刑法により、従来の「懲役」は「拘禁刑」に改められています)。

一式工事の許可でできること・できないこと

項目可否
元請として建築物の新築工事全体を請け負うできる
新築工事の中で専門工事を下請に出すできる
500万円(税込)以上の専門工事を単独で請け負うできない
軽微な建設工事の範囲内で専門工事を請け負うできる

許可がなくても請け負える「軽微な建設工事」の基準

工事の種類許可が不要となる範囲
建築一式工事工事1件の請負代金の額が1,500万円未満(税込)の工事、または延べ面積が150平方メートル未満の木造住宅工事
建築一式工事以外の27業種+土木一式工事工事1件の請負代金の額が500万円未満(税込)の工事

請負代金には消費税を含みます。注文者が材料を提供する場合は、その市場価格と運送費を請負代金に加えて判断する点にも注意が必要です。

附帯工事と専門技術者の配置

建設業法第4条では、許可を受けた建設業に係る建設工事に附帯する他の建設工事(附帯工事)については、その附帯工事の許可がなくても請け負うことができると規定されています。ただし、附帯工事を自ら施工する場合は、その専門工事について主任技術者の資格を持った専門技術者を配置しなければなりません(建設業法第26条の2)。自ら施工しない場合は、当該専門工事の許可を持つ業者に下請に出す必要があります。

つまり、一式工事を元請として請け負い、その中に含まれる専門工事を施工する場合でも、専門技術者の配置または適切な下請発注が求められるのです。

迷いやすい工事はどう切り分けるのか?【ガイドラインの「区分の考え方」一覧】

結論:業種の区分は工事の名称ではなく、実際の施工内容・施工範囲・設置場所で判断します。国土交通省は建設業許可事務ガイドラインで、重複しやすい工事の区分を具体的に示しています。

実務ではこういう相談が多い
『うちはLAN配線の工事をしているが、電気工事の許可で合っているのか? それとも電気通信工事の許可が必要なのか?』――業種の境界が曖昧な工事ほど判断に迷います。

以下は、ガイドラインが明示している区分のうち、建設業者からの相談が特に多いものを抜粋したものです。

工事の内容該当する業種区分の考え方(ガイドライン)
エレベーター等の昇降機の設置機械器具設置工事業「運搬機器設置工事」には「昇降機設置工事」も含まれる
太陽光発電設備の設置電気工事業屋根等の止水処理を行う工事も含まれる
屋根一体型の太陽光パネル設置屋根工事業屋根をふく工事の一類型として扱う
板金による屋根ふき工事屋根工事業屋根をふく材料の別を問わず「屋根ふき工事」として屋根工事に該当(板金工事ではない)
スレートを外壁にはる工事タイル・れんが・ブロック工事業「スレート張り工事」は外壁等にはる工事。スレートで屋根をふく工事は屋根工事
建築物の中に設置する通常の空調機器の設置管工事業トンネル・地下道等の給排気用に設置される機械器具は機械器具設置工事
浄化槽(合併処理槽を含む)によるし尿処理施設の建設管工事業規模の大小を問わず管工事。下水道により収集された汚水の処理施設(公共団体設置)は水道施設工事、汲取方式のし尿処理施設(公共団体設置)は清掃施設工事
公道下等の下水道の配管工事、下水処理場の敷地造成土木一式工事業敷地内の配管工事や配水小管の設置は管工事、取水・浄水・配水施設や下水処理場内の処理設備は水道施設工事
農業用水道、かんがい用配水施設の建設土木一式工事業水道施設工事ではない
排水処理設備を単体で設置する工事管工事業公害防止施設を単体で設置する工事は清掃施設工事ではなく、設備ごとに区分。集塵設備であれば機械器具設置工事
鉄骨の製作・加工から組立てまでを一貫して請け負う鋼構造物工事業既に加工された鉄骨を現場で組み立てることのみを請け負う場合はとび・土工・コンクリート工事
屋外広告物の製作・加工から設置までを現場で一貫して請け負う鋼構造物工事業それ以外はとび・土工・コンクリート工事の「屋外広告物設置工事」
ビルの外壁に固定された避難階段の設置建築一式工事業/鋼構造物工事業建築物の躯体の一部の工事として扱う。消防施設工事の「金属製避難はしご」は組立式のはしごを指す
トンネル防水工事等の土木系の防水工事とび・土工・コンクリート工事業防水工事に含まれるのは、いわゆる建築系の防水工事のみ
防水モルタルを用いた防水工事左官工事業/防水工事業どちらの業種の許可でも施工可能
法面処理等のためのモルタル・種子の吹付けとび・土工・コンクリート工事業建築物に対するモルタル等の吹付けは左官工事
舗装工事と併せて行うガードレール設置とび・土工・コンクリート工事業「道路付属物設置工事」に含まれる(舗装工事ではない)
既設の電気通信設備の改修・修繕・補修電気通信工事業点検・整備・修理といった「保守」の役務提供は電気通信工事に該当しない
専門工事の目的物のみを解体する工事各専門工事業総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物・建築物を解体する工事は土木一式工事・建築一式工事

電気工事業と電気通信工事業の違い

項目電気工事業電気通信工事業
扱う電力強電(大きな電力)弱電(小さな電力)
告示上の内容発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事有線・無線電気通信設備、ネットワーク設備、情報設備、放送機械設備等を設置する工事
典型的な工事例屋内配線、変電設備、太陽光発電設備の設置、照明設備工事、ネオン装置工事電話配線工事、LAN工事、データ通信設備工事、情報表示設備工事、TV電波障害防除設備工事

簡潔に言えば、電力の供給に関わる工事は電気工事業、情報の伝達に関わる設備の工事は電気通信工事業です。なお、既に設置された電気通信設備の改修・修繕・補修は電気通信工事に該当しますが、機能・性能・耐久性の確保を図るための点検、整備及び修理といった「保守」の役務提供は建設工事に当たりません。

内装仕上工事業と建具工事業の違い

項目内装仕上工事業建具工事業
告示上の内容木材、石膏ボード、壁紙、たたみ、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事工作物に木製又は金属製の建具等を取付ける工事
主な工事例(ガイドラインの例示)インテリア工事、天井仕上工事、壁張り工事、内装間仕切り工事、床仕上工事、たたみ工事、ふすま工事、家具工事、防音工事金属製建具取付け工事、サッシ取付け工事、金属製カーテンウォール取付け工事、シャッター取付け工事、自動ドアー取付け工事、木製建具取付け工事、ふすま工事

注意したいのは、「ふすま工事」は内装仕上工事業と建具工事業の両方に例示されている点です。どちらで実績を積み上げるかは施工の実態によりますので、実務経験で営業所技術者等を証明する場合は、事前に許可行政庁へ確認しておくのが安全です。

また「家具工事」は建築物に家具を据え付ける工事、「防音工事」は建築物における通常の防音工事を指し、ホール等の構造的に音響効果を目的とする工事は含まれません。「たたみ工事」は採寸・割付け・製造加工から敷きこみまでを一貫して請け負う工事をいいます。

とび・土工・コンクリート工事業と解体工事業の違い

平成28年6月1日の法改正以前は、解体工事は『とび・土工・コンクリート工事業』に含まれていました。現在は解体工事業が独立した業種となっており、解体工事を500万円(税込)以上で請け負うには解体工事業の許可が必要です。

改正時点でとび・土工工事業の許可を受けて解体工事を営んでいた業者に対する経過措置は、令和元年5月31日をもって終了しています。令和元年6月1日以降に解体工事を営む場合は、解体工事業の許可が必要です。また、技術者についても、とび・土工工事業の技術者を解体工事業の技術者とみなす経過措置が設けられていましたが、こちらも令和3年に終了しており、現在は解体工事業の技術者要件を満たす者の配置が必要です。

なお、専門工事の目的物のみを解体する工事は、それぞれの専門工事に該当します。総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物や建築物を解体する工事は、土木一式工事・建築一式工事に該当します。

機械器具設置工事業と他の専門工事業の違い

機械器具設置工事業は、その定義が広く『機械器具の組立て等により工作物を建設し、又は工作物に機械器具を取付ける工事』とされています。ガイドラインの区分の考え方では、機械器具の種類によって電気工事・管工事・電気通信工事・消防施設工事等と重複するものは、原則としてそれぞれの専門工事に区分し、これらのいずれにも該当しない機械器具あるいは複合的な機械器具の設置が機械器具設置工事に該当するとされています。

実務ではこういう相談が多い
『エレベーターの設置工事は何の業種になるのか? 機械器具設置工事と聞いたが、電気工事も含まれるのでは?』――この点はガイドラインに答えがあり、「運搬機器設置工事」に「昇降機設置工事」が含まれるとされているため、機械器具設置工事業に該当します。複合的な要素を含む工事ほど、迷った場合は行政書士に事前確認する運用が安全です。

業種を間違えて許可を取ってしまったらどうなるのか?

結論:取得した許可自体は有効ですが、本当に請け負いたい工事が別業種に当たる場合、その工事を軽微な建設工事の範囲を超えて請け負うことはできません。「業種追加」の申請で対応します。

業種追加は、同じ許可番号のまま営業できる業種を増やす申請です。大阪府知事許可の場合、業種追加の許可手数料は5万円(同一の許可区分内で追加する場合)です。一般建設業の許可を受けている業者が新たに特定建設業の許可を申請する場合などは「般・特新規」となり、手数料の区分が変わります。

注意すべきなのは、追加する業種ごとに営業所技術者等の要件を満たす必要がある点です。資格者がいない業種を実務経験で証明しようとすると、原則10年分の工事実績を裏付ける契約書等が必要になり、書類の準備だけで数か月かかることも珍しくありません。「あとで追加すればいい」と考えていると、目の前の受注機会を逃すおそれがあります。

業種選びを行政書士に相談すべき理由

結論:業種の判断は工事の実態に基づく専門的な分析が必要であり、間違えたときのリスクが大きいため、行政書士への相談が最も確実です。

業種選びを自社だけで判断すると、以下のようなリスクがあります。

  • 本来必要な業種と異なる業種で許可を取得してしまい、実質的に使えない許可になる
  • 一式工事の許可だけで十分だと判断した結果、専門工事で無許可営業になる
  • 複数業種にまたがる工事の分類を誤り、行政処分の対象になる

行政書士に相談すれば、御社の工事内容を丁寧にヒアリングしたうえで、以下を一括して対応できます。

  • 直近の工事実績から正確な業種の特定
  • 一式工事と専門工事の切り分け判断
  • 将来の事業展開を見据えた業種追加の提案
  • 業種ごとの許可要件(経管・営業所技術者等・財産要件)の充足確認
  • 所管行政庁との事前相談の代行

業種によっては、営業所技術者等(令和6年12月13日施行の法改正前は「専任技術者」と呼ばれていました)に求められる資格や実務経験が大きく異なります。例えば、電気工事業では第一種電気工事士や第二種電気工事士(免状交付後の実務経験3年以上)といった資格が必要になる場合があります。業種選びと許可要件の確認を同時に進められるのも、行政書士に依頼するメリットです。

建設業許可の業種選びに関するよくある質問

Q. とび・土工工事業の許可があれば解体工事もできますか?

A. できません。解体工事業は平成28年6月1日の法改正で独立した業種となり、とび・土工工事業者に対する経過措置も令和元年5月31日で終了しています。500万円(税込)以上の解体工事を請け負うには解体工事業の許可が必要です。

Q. エレベーターの設置工事はどの業種になりますか?

A. 機械器具設置工事業です。建設業許可事務ガイドラインで、機械器具設置工事の例示である「運搬機器設置工事」に「昇降機設置工事」が含まれるとされています。

Q. 太陽光発電設備の設置工事はどの業種になりますか?

A. 原則として電気工事業です。屋根に設置する場合の屋根等の止水処理工事も電気工事に含まれます。ただし、屋根一体型の太陽光パネル設置工事は屋根工事業に該当します。

Q. 1つの工事に複数の業種の工事が含まれる場合、すべての許可が必要ですか?

A. 原則として主たる工事の業種で判断します。主たる工事に附帯する従たる工事(附帯工事)は、建設業法第4条によりその業種の許可がなくても請け負えますが、自ら施工する場合は主任技術者の資格を持つ専門技術者の配置が必要です(法第26条の2)。

Q. 許可を取得した後で業種を追加できますか?

A. できます。『業種追加』の申請により、同じ許可番号のまま業種を増やすことが可能です。大阪府知事許可の場合、同一の許可区分内での業種追加の手数料は5万円です。ただし、追加する業種ごとに営業所技術者等などの要件を満たす必要があります。

Q. 業種を間違えて許可を取ってしまった場合はどうなりますか?

A. 取得した許可自体は有効ですが、実際に請け負いたい工事が別業種に該当する場合、その工事を500万円(税込)以上で請け負うことはできません。必要な業種の追加申請を検討してください。

Q. 業種の区分は、どの資料を見れば確認できますか?

A. 国土交通省が公表している「業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方」の一覧表と、建設業許可事務ガイドラインが一次情報です。判断が分かれそうな工事は、契約前に許可行政庁または行政書士に工事内容を示して確認してください。

まとめ|建設業許可の業種選びは実態に基づいた慎重な判断が必要

この記事のポイントを振り返ります。

  1. 建設業許可は29業種ごとに個別取得が原則 ― 一式工事2業種と専門工事27業種は、それぞれ別の許可として扱われます。
  2. 判断は「告示の内容→ガイドラインの例示→区分の考え方」の順で行う ― 感覚や工事の名称で決めるのが最も危険です。
  3. 一式工事の許可で専門工事はできない ― 建築一式を取れば何でもできるというのは誤解です。500万円(税込)以上の専門工事を単独で請け負うには、その専門工事の許可が別途必要です。
  4. 迷いやすい工事には国が示した答えがある ― 昇降機は機械器具設置、屋根一体型の太陽光は屋根工事、浄化槽によるし尿処理施設は管工事など、ガイドラインに明記されています。
  5. 解体工事の経過措置は令和元年5月31日で終了している ― とび・土工工事業の許可だけで解体工事を請け負うことはできません。
  6. 業種選びと許可要件の確認は同時に進める ― 取りたい業種が決まっても、経管や営業所技術者等の要件を満たさなければ許可は取れません。行政書士であれば、業種の選定と要件充足の確認をワンストップで進められます。

業種選びを誤ると、許可を取得した後に『この業種では請け負えない工事だった』と気づくケースも実際にあります。許可申請は事業の根幹に関わるものですので、建設業許可に精通した行政書士と二人三脚で進めることをお勧めします。

参考情報(一次情報)

※本記事は大阪府知事許可を前提に、2026年9月17日時点の情報をもとに作成しています。取扱いは許可行政庁により異なる場合がありますので、実際の申請にあたっては最新の手引き等をご確認ください。

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最終更新日:2026年9月17日
監修:行政書士 伊敷紀巳雄(行政書士ARISEリーガルオフィス代表)

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