建設業法上、建設工事の現場には主任技術者または監理技術者の配置が必要です。本記事では、どちらを置くべきかの判断基準、資格要件、直接的かつ恒常的な雇用関係、専任配置が必要な工事と期間、専任特例1号・2号と密接関連工事の兼務、鉄筋・型枠の特定専門工事、営業所技術者等の現場兼務、違反時の行政処分リスクをチェックリスト付きで解説します。

【結論】建設工事の現場には、請負金額の大小や元請・下請を問わず、主任技術者または監理技術者の配置が必要です(建設業法第26条)。発注者から直接請け負った元請が下請に出す発注額の合計が5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)となる場合は監理技術者を、それ未満なら主任技術者を配置します。さらに、公共性のある工事で請負代金が4,500万円以上(建築一式は9,000万円以上)の場合は現場ごとの「専任」配置が必要ですが、監理技術者補佐を専任で置く専任特例2号(令和2年10月から適用)またはICTの措置等を講じる専任特例1号(令和6年12月から適用)の要件を満たせば、2現場までの兼任が認められます。

この記事で分かること

  • 主任技術者と監理技術者の違いと、どちらを置くべきかの判断基準
  • それぞれの資格要件(国家資格・実務経験・登録基幹技能者)
  • 技術者に求められる「直接的かつ恒常的な雇用関係」とは何か
  • 専任配置が必要になる工事の金額基準と、専任が必要な期間
  • 専任特例1号・2号と、密接な関連のある2工事の兼務特例
  • 下請の主任技術者を置かなくてよい「特定専門工事」(鉄筋・型枠)
  • 営業所技術者等が現場の技術者を兼ねられるケース
  • よくある違反パターンと行政処分のリスク/実務チェックリスト

主任技術者と監理技術者:何が違うのか

主任技術者とは、建設業者が請け負ったすべての工事現場で施工の技術上の管理をつかさどる者として配置する技術者です。監理技術者とは、元請の特定建設業許可業者が一定額以上の下請発注を行う工事で、主任技術者に代えて配置する上位の技術者です。どちらを置くべきかは、次の表のとおり整理できます。

項目主任技術者監理技術者
配置が必要な場合すべての工事現場(請負金額の大小・元請下請を問わず)元請で下請発注の合計が5,000万円以上(建築一式8,000万円以上)
資格要件1・2級国家資格、登録基幹技能者等、または実務経験1級国家資格等(指定建設業以外は指導監督的実務経験でも可)
資格者証・講習不要専任配置の場合は監理技術者資格者証と講習修了が必要
根拠条文建設業法第26条第1項建設業法第26条第2項

金額基準は「下請契約の合計額」で判断するため、一社あたりではなく複数の下請業者への発注額を合算します。資材購入・調査業務・運搬業務・警備業務など建設工事に該当しない契約は合算の対象外です。

金額基準の改正経緯

監理技術者が必要となる下請合計額の基準は段階的に引き上げられており、現行の5,000万円以上(建築一式は8,000万円以上)は令和7年2月1日施行の基準です。過去の基準(4,000万円・4,500万円など)のまま運用していると誤りが生じるため、最新の金額で判断してください。なお、この5,000万円(建築一式8,000万円)という金額は、特定建設業許可が必要になるライン、および施工体制台帳・施工体系図の作成義務が生じるライン(法第24条の8)と共通です。


主任技術者の資格要件

主任技術者になるには、以下のいずれかを満たす必要があります。営業所技術者等(旧・専任技術者)の要件と同じ基準です。

国家資格による要件

施工する業種に対応した国家資格の保有が必要です。土木工事業なら「1級・2級土木施工管理技士」、建築工事業なら「1級・2級建築施工管理技士」などが該当します。業種ごとに対応資格が定められており、対象外の業種には使えません。

実務経験・登録基幹技能者による要件

ルート必要な要件
国家資格業種に対応した1級または2級の国家資格
登録基幹技能者等業種に対応した登録基幹技能者講習の修了者等
大学・高専(指定学科)卒業卒業後3年以上の実務経験
高校(指定学科)卒業卒業後5年以上の実務経験
上記以外10年以上の実務経験

実務経験による場合は、工事内容・期間が確認できる書類(契約書・注文書・請求書等)の準備が必要になる場合があります。


監理技術者の資格要件

監理技術者の資格要件は業種によって異なり、主任技術者よりも厳格です。

指定建設業以外の業種の場合

以下のいずれかを満たす必要があります。

  • 業種に対応した1級国家資格(2級は不可)または国土交通大臣認定
  • 主任技術者の要件を満たしたうえで、発注者から直接請け負い請負代金の額が4,500万円以上である工事に関する2年以上の指導監督的な実務経験

指導監督的な実務経験とは、現場代理人・主任技術者・工事主任・施工監督などの立場で、工事の技術面を総合的に指導・監督した経験をいいます。

指定建設業7業種の場合

土木一式・建築一式・電気・管・鋼構造物・舗装・造園の7業種(指定建設業)では、監理技術者になれるのは1級国家資格者または国土交通大臣特別認定者に限られ、実務経験のみによる認定は認められません。受注業種に応じた確認が不可欠です。

監理技術者資格者証について

専任の監理技術者として配置される場合は、「監理技術者資格者証」の交付を受けている必要があります。資格者証は(一財)建設業技術者センターに申請して取得します。有効期間は5年で更新が必要です。また、専任の監理技術者は監理技術者講習を受けている必要があり、修了履歴は資格者証の裏面(修了履歴ラベルまたは印字)で確認されます。

建設業法第26条第5項により選任された専任の監理技術者は、同条第6項により、発注者から請求があった場合に資格者証を提示しなければなりません。資格者証の有効期限が切れている場合は、専任の監理技術者として認められない可能性があります。

技術者は自社の社員でなければならないのか?

主任技術者・監理技術者は、その工事を請け負った建設業者と直接的かつ恒常的な雇用関係にある者でなければなりません。外注や応援でまかなうことはできず、実務では次のように整理されます。

雇用形態技術者として配置できるか
自社の正社員(恒常的な雇用関係)可
在籍出向者不可(直接的な雇用関係がない)
派遣社員不可(労働者派遣法第4条第1項により建設業務への派遣は禁止)
その工事の期間だけの短期雇用不可(恒常的な雇用関係がない)

さらに、国・地方公共団体等が発注する建設工事で発注者から直接請け負う元請の専任の監理技術者等については、所属建設業者から入札の申込みがあった日(指名競争で入札の申込みを伴わないものは入札の執行日、随意契約の場合は見積書の提出があった日)以前に、当該建設業者と3か月以上の雇用関係にあることが必要です。恒常的な雇用関係は、監理技術者資格者証や住民税特別徴収税額通知書等に記載された所属建設業者名・交付日等で確認されます。

「公共工事の入札直前に1級技士を中途採用して監理技術者にあてたい」というご相談をいただくことがありますが、公共工事の元請専任監理技術者は入札申込日以前に3か月以上の雇用関係が必要です。採用のタイミングによっては、その入札には配置できません。技術者の採用計画は、受注予定の入札スケジュールから逆算して立てることをおすすめします。

専任配置が必要な工事とは

主任技術者・監理技術者は、原則として工事現場ごとに1名配置すればよく、非専任であれば複数現場の兼務も認められています。ただし、以下のすべてに該当する工事では専任配置が必要で、後述の専任特例に該当しない限り他の工事現場との兼務ができません。

  • 公共性のある施設・工作物、または多数の人が利用する施設に関する重要な建設工事であること
  • 工事1件の請負代金が4,500万円以上(建築一式は9,000万円以上)であること

「公共性のある施設」には道路・河川・橋・堤防・上下水道のほか、学校・病院・共同住宅(マンション等)・事務所・ホテル・工場・倉庫なども含まれ(建設業法施行令第27条)、公共工事に限らず民間工事も対象です。個人住宅や長屋(共有部分なし)等は通常該当しませんが、判断が難しいケースもあるため確認が必要です。専任配置は下請工事であっても必要で、元請・下請の区別はありません。また、専任が求められる現場の技術者は、営業所技術者等(常勤)との兼任も原則としてできません(例外は後述)。

「現場所長が複数の現場を掛け持ちしているが問題ないか」というご相談が多く寄せられます。専任要件に該当する現場では、後述の専任特例を除き、その技術者は他の専任工事現場との兼務ができません。ただし「専任」とは「常駐」を意味するわけではなく、工事の規模・進捗状況に応じた合理的な工程管理のもとで現場を管理する体制が整っていれば、一時的に現場を離れることは認められています。

専任が必要な期間はいつからいつまでか

専任配置が必要な期間は、元請と下請で考え方が異なります。

立場専任が必要な期間
元請業者の技術者原則として契約工期の全期間
下請業者の技術者自社の下請工事が実際に施工されている期間

元請の技術者であっても、次の期間は必ずしも専任配置を要しません。ただし、いずれの場合も発注者との間で設計図書または打合せ記録等の書面により、専任を要さない期間が明確にされていることが必要です。

  • 現場への立入調査や施工計画の立案等の段階で、工事に未着手である期間
  • 工事を全面的に一時中止している期間
  • 工場製作を含む工事で、工場製作のみが行われている期間
  • 工事完成後、検査が終了して事務手続のみが残っている期間(発注者都合で検査が遅延した場合はその期間を含む)

なお、工事が三次下請まで行われている場合、三次下請業者が施工しているときは、自ら直接施工する工事がない一次下請・二次下請であっても、主任技術者を現場に専任で置かなければならない点に注意が必要です。


専任工事現場の兼任特例(専任特例1号・2号)

専任が必要な工事現場であっても、一定の条件を満たす場合には2現場までの兼任が認められます。監理技術者補佐を専任で置く専任特例2号は令和2年10月から、ICTの措置等による専任特例1号は令和6年12月から適用されています。1号と2号は併用できません。

専任特例1号:ICT活用等による2現場兼任

以下の要件をすべて満たす場合、主任技術者または監理技術者が専任工事現場を2現場まで兼任できます(建設業法第26条第3項)。

要件内容
請負代金各工事の請負代金の額が1億円未満(建築一式工事は2億円未満)
現場数兼務する工事の数が2を超えないこと
現場間の距離1日で巡回可能で、移動時間がおおむね2時間以内
下請次数当該建設業者が注文者となった下請契約から数えて3次以内
連絡員技術者との連絡その他必要な措置を講ずる者を各現場に配置(土木一式・建築一式は当該工事の種類に関する実務経験1年以上の者)
ICTの措置当該工事現場の施工体制を確認できる情報通信技術の措置を講じていること
情報通信機器現場以外の場所から現場状況を確認するための情報通信機器を設置していること
計画書人員の配置を示す計画書を作成し、現場に据え置いていること

専任特例1号では、監理技術者が他現場の主任技術者を兼ねることも可能です。人員配置計画書は電磁的記録による措置でも差し支えありませんが、帳簿の保存期間と同じ期間、当該建設工事の帳簿を保存している営業所で保存しなければなりません。計画書の参考様式は国土交通省のウェブサイトで公開されています。特例を活用する際は、要件の充足を客観的に確認できる記録の整備が重要です。

専任特例2号:監理技術者補佐を置く場合

監理技術者補佐とは、監理技術者の職務を補佐する者として工事現場に専任で配置される技術者のことです(建設業法第26条第3項ただし書、建設業法施行令第28条)。監理技術者補佐を各現場に専任で配置した場合、監理技術者は専任が必要な2つの工事現場を兼任できます。監理技術者補佐になれるのは、次のいずれかです。

ルート要件
1級技士補ルート当該業種の主任技術者の資格を有する者のうち、1級の技術検定の第一次検定に合格した者(1級施工管理技士補)
監理技術者資格ルート当該業種の監理技術者の資格を有する者

監理技術者補佐自身は、配置されるすべての工事現場で専任である必要があります。また、機械器具設置工事・さく井工事・消防施設工事・清掃施設工事については技術検定の種目がないため、監理技術者補佐の扱いに別途注意が必要です。監理技術者補佐を置く現場でも、監理技術者は施工計画の作成、工程管理・品質管理その他の技術管理を引き続き担い、適切な指導・監督を行う義務があります。

「うちの1級施工管理技士補を監理技術者補佐にして、監理技術者を2現場かけ持ちさせたい」というご相談が増えています。監理技術者補佐には「主任技術者の要件を満たすこと」が前提となるため、資格だけでなく業種に対応した経験・学歴要件も確認が必要です。また、監理技術者補佐自身が「専任」で配置される必要があるため、補佐が別現場と兼務していると特例の適用外になります。

密接な関連のある2以上の工事の兼務特例

専任特例1号・2号とは別に、密接な関連のある2以上の工事を同一の建設業者が同一の場所または近接した場所で施工する場合には、同一の専任の主任技術者がこれらの工事を管理することができます(建設業法施行令第27条第2項)。工区が隣接する複数契約の工事などが典型例です。ただし、この特例が使えるのは専任の主任技術者に限られ、専任の監理技術者は適用外である点に注意してください。


下請の主任技術者を置かなくてよい「特定専門工事」

特定専門工事とは、鉄筋工事または型枠工事であって、元請負人がその工事を施工するために締結した下請契約の請負代金の額(2以上あるときは合計額)が4,500万円未満のものをいいます(建設業法第26条の3、建設業法施行令第30条。令和2年10月から適用)。この特定専門工事では、元請負人と下請負人が書面で合意することにより、元請負人(または上位下請)が置く主任技術者が下請負人の分の施工管理もあわせて行い、下請負人は主任技術者を置かないことができます。

項目内容
対象工事鉄筋工事・型枠工事
金額要件下請契約の請負代金の額(合計)が4,500万円未満
手続注文者と下請負人との書面による合意
置く側の技術者の要件当該特定専門工事と同一種類の工事に関し1年以上の指導監督的な実務経験を有し、かつ当該工事現場に専任で置かれる者
置かない側の制限主任技術者を置かないこととした下請負人は、その工事を他人に請け負わせること(再下請負)ができない

重層下請構造の改善を目的とした制度で、元請負人は自社施工分を超える業務量に対応しやすくなり、下請負人は受注機会を確保しやすくなります。施工体系図にも「特定専門工事の該当の有無」を表示する必要があります。


営業所技術者等は現場の技術者を兼ねられるか

営業所技術者・特定営業所技術者(令和6年12月13日の改正前は「専任技術者」)は、請負契約の締結にあたっての技術的サポート(工法の検討、注文者への技術的説明、見積り等)が職務であり、所属営業所に常勤していることが原則です。ただし、建設業法第26条の5により、次の要件を満たす場合には現場配置技術者との兼務が可能です。現場配置技術者の専任特例(1号・2号)との併用はできません。

ケース主な要件
専任配置が必要な工事①所属営業所で契約締結した工事 ②兼ねる現場数が1以下 ③専任特例1号の要件(請負代金・距離・下請次数・連絡員・ICT措置・計画書・情報通信機器)を満たすこと ④直接的かつ恒常的な雇用関係
専任配置が不要な工事(営業所と現場が近接)①所属営業所で契約締結した工事 ②営業所での職務が適正に遂行できる程度に近接した現場 ③営業所と常時連絡が取れる状態 ④直接的かつ恒常的な雇用関係
専任配置が不要な工事(上記以外)専任配置が必要な工事の要件をすべて満たすこと

「近接」について距離等の一律の規定はなく、交通の便や地域性を踏まえた判断となります。営業所技術者等を現場に出す場合は、営業所の機能が損なわれていないかを含めて許可行政庁の確認を受けられるよう、契約書・連絡体制の記録を残しておくことをおすすめします。


よくある違反パターンと行政処分のリスク

違反パターン1:無資格者を技術者として配置

資格・実務経験の要件を満たしていない社員を、主任技術者や監理技術者として現場に配置するケースです。「現場に慣れているから大丈夫だろう」という判断で起きがちですが、建設業法違反として行政処分の対象になります。指定建設業では実務経験による監理技術者の認定が認められないため、特に注意が必要です。

違反パターン2:名義貸し(専任名目で他現場に常駐)

専任配置が必要な現場に技術者を配置したことにしながら、実態は別の現場で働いているケースです。書類上は専任配置になっているが、当該現場に実際には来ていないという状態は「名義貸し」として厳しく判断されます。

違反パターン3:監理技術者資格者証の更新忘れ

資格者証の有効期限(5年)が切れたまま専任の監理技術者として配置を続けるケースです。失効に気づかず工事を受注し、発注者から指摘されて初めて発覚するパターンが実務上多く見られます。更新には監理技術者講習の受講も必要なため、期限と講習スケジュールをあわせて管理することが重要です。

違反パターン4:出向者・派遣社員を技術者として配置

グループ会社からの在籍出向者や派遣社員を主任技術者・監理技術者として配置するケースです。前述のとおり、技術者には請負業者との直接的かつ恒常的な雇用関係が求められるため、施工体制台帳の添付書類(健康保険被保険者証・標準報酬決定通知書等)の段階で発覚することが多い類型です。

行政処分の内容

技術者配置義務違反が発覚した場合、都道府県または国土交通省から以下の行政処分を受ける可能性があります。

処分内容
指示処分違反是正を命じる処分(最も軽微)
営業停止処分一定期間の営業停止(経審の点数にも影響)
許可取消処分建設業許可の取消(最も重い処分)

処分情報は国土交通省・都道府県のウェブサイトで公表されるため、会社の信用に直接影響します。特に公共工事の競争入札参加資格の停止・取消につながる場合があり、経営への打撃は深刻です。


現場配置の実務チェックリスト

工事受注時に確認すること

  • 下請発注合計額が5,000万円(建築一式8,000万円)以上か確認し、主任技術者・監理技術者どちらが必要かを判断する(同じ金額で施工体制台帳・施工体系図の作成義務も生じます)
  • 請負代金が4,500万円以上(建築一式9,000万円以上)かつ公共性ある工事か確認し、専任要件の有無を判断する
  • 配置する技術者の資格・実務経験が当該業種の要件を満たしているか確認する(指定建設業は特に注意)
  • 配置する技術者と自社との雇用関係を確認する(出向者・派遣社員は不可。公共工事の元請専任監理技術者は入札申込日以前3か月以上の雇用が必要)

監理技術者を専任配置する場合

  • 監理技術者資格者証の有効期限を確認する(期限切れの場合は更新申請)
  • 監理技術者講習の修了履歴が最新であることを確認する
  • 発注者から資格者証の提示を求められた場合に対応できる体制を整える

専任特例を活用する場合

  • 専任特例1号(請負金額・現場数・移動時間・下請次数・連絡員・ICT措置・情報通信機器・計画書)の8要件をすべて確認する
  • 専任特例2号(監理技術者補佐の専任配置)を活用する場合は、補佐の資格・業種要件を確認する
  • 人員配置計画書を現場に据え置き、工事完了後は帳簿と同じ期間・同じ営業所で保存する
  • 営業所技術者等を現場に兼務させる場合は、専任特例との併用ができないことを確認する

日常的な管理として

  • 社内の技術者一覧(資格・有効期限・現在の配置現場)を最新状態に管理する
  • 監理技術者資格者証の更新期限と講習スケジュールをあわせてカレンダー管理する
  • 新規受注時に技術者の空き状況と資格要件を事前にチェックする体制を作る

よくある質問(FAQ)

Q. 500万円未満の軽微な工事でも主任技術者は必要ですか?

A. 建設業許可を受けている業者であれば必要です。主任技術者の配置義務は請負金額の大小を問わないため、許可業者が施工する限り軽微な工事でも配置が求められます。

Q. 工事の途中で下請発注額が5,000万円以上になったらどうなりますか?

A. 主任技術者に代えて、所定の資格を有する監理技術者を配置しなければなりません。工事内容の変更等で増額があらかじめ予想される場合は、当初から監理技術者になり得る資格者の配置が必要です。

Q. 下請業者にも技術者の専任義務はありますか?

A. あります。専任要件に元請・下請の区別はありません。ただし下請工事では、専任が必要な期間は自社の工事が実際に施工されている期間とされています。

Q. 「専任」の技術者は現場に常駐しなければなりませんか?

A. 「専任」と「常駐」は異なります。打ち合わせ・書類作成のほか、研修・講習・試験への参加、休暇の取得、働き方改革を踏まえた勤務体系など合理的な理由で短期間(1〜2日程度)現場を離れることは、適切な施工ができる体制を確保できていれば差し支えありません。これを超える期間現場を離れる場合、終日現場を離れる日が週の稼働日の半数以上となる場合、周期的に現場を離れる場合は、適切な施工体制を確保したうえで、元請の技術者であれば発注者、下請の技術者であれば元請または上位下請の了解を得ていれば差し支えないとされています。

Q. 出向してきた社員や派遣社員を主任技術者にできますか?

A. できません。主任技術者・監理技術者には、その工事を請け負った建設業者との直接的かつ恒常的な雇用関係が必要です。在籍出向者・派遣社員・当該工事の期間だけの短期雇用はいずれも認められません。

Q. 隣接する2つの現場を同じ専任技術者が管理できますか?

A. 密接な関連のある2以上の工事を同一の建設業者が同一または近接した場所で施工する場合は、同一の専任の主任技術者が管理できます(建設業法施行令第27条第2項)。ただしこの特例は専任の監理技術者には適用されません。監理技術者の場合は、専任特例1号または2号の要件を満たすかどうかで判断します。

Q. 鉄筋工事の二次下請でも主任技術者は必要ですか?

A. 特定専門工事(鉄筋工事・型枠工事で下請契約の請負代金の合計が4,500万円未満)に該当し、注文者と書面で合意した場合は、下請負人は主任技術者を置かないことができます。ただし、主任技術者を置く側の技術者は同一種類の工事に1年以上の指導監督的実務経験があり当該現場に専任である必要があり、主任技術者を置かない下請負人は再下請負ができません。

Q. 営業所技術者等(旧・専任技術者)を現場の監理技術者にできますか?

A. 建設業法第26条の5の要件を満たす場合に限り可能です。専任が必要な現場の場合は、所属営業所で契約した工事であること、兼ねる現場が1以下であること、専任特例1号の要件を満たすことなどが必要で、現場配置技術者の専任特例との併用はできません。

Q. 専任特例1号の人員配置計画書はどこに保存すればよいですか?

A. 工事期間中は現場に据え置き、その後は帳簿の保存期間と同じ期間、当該建設工事の帳簿を保存している営業所で保存する必要があります。電磁的記録による保存も認められています。


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参考情報

最終更新日:2026年9月23日
監修:行政書士 伊敷紀巳雄(行政書士ARISEリーガルオフィス)

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