建設業許可の経管(経営業務の管理責任者・常勤役員等)の要件を行政書士が実務視点で解説。イ・ロ・ハの要件パターン、常勤性の判断基準(大阪府の月額10万円目安・管理建築士や専任宅建士との兼務)、経験年数が「確定申告書・工事実績・登記簿の3つが重なる期間」で決まる仕組み、支店長・執行役員ルートまで網羅しています。

【結論】経管(経営業務の管理責任者)とは、建設業の経営について一定の経験を持つ常勤の役員等のことで、建設業許可の必須要件です(令和2年10月の法改正後の正式名称は「常勤役員等」)。最も一般的な要件は「建設業に関する5年以上の経営経験」ですが、大阪府では①確定申告書で会社が営業していた実態、②工事の契約書・注文書・請求書で建設業の営業実績、③登記簿謄本と役員給与等の内訳書で常勤の役員だった期間、の3点を確認し、この3つがすべて重なっている期間だけが経験年数として認められます。要件そのものを満たしていても書類で証明できなければ許可は下りないため、実務上の最大の関門は「経験の証明」です。

建設業許可の取得で最もつまずきやすいのが、経管(経営業務の管理責任者)の要件です。正確には令和2年(2020年)10月の法改正以降、『常勤役員等』と呼ばれるこの要件は、証明書類の準備段階で行き詰まるケースが非常に多くあります。

この記事では、経管の要件と常勤性の判断基準、そして実務で申請が通らない原因・経験証明のコツを、大阪府知事許可を前提に2026年9月15日時点の運用で解説します。

この記事で分かること

  • 経管(常勤役員等)になれる人の要件パターン(イ・ロ・ハ)
  • 「常勤」はどう判断されるのか|大阪府の目安と他資格との兼務
  • 申請が通らない3つの原因と、経験証明の実務的なコツ
  • 取締役以外(支店長・執行役員・部長職)の経験を使う方法

経管(常勤役員等)とは?令和2年改正で何が変わったのか

経管とは、建設業の経営について一定の経験を持つ常勤の役員等のことです(建設業法第7条第1号、建設業法施行規則第7条第1号)。許可を受けるには、法人なら常勤の取締役、個人なら事業主本人または支配人がこの要件を満たす必要があります。

令和2年10月の改正で、従来の『個人の経験だけで判断する仕組み』から、『組織体制で経営能力を担保する仕組み』に変わりました。また、以前は許可を受けたい業種と異なる業種での経験は6年必要でしたが、改正後は業種を問わず5年に統一されています(許可事務ガイドラインでは「建設業に関し」とは全ての建設業の種類をいい、業種ごとの区別をしないと明記されています)。

「役員」に含まれる人・含まれない人

経管になれるのは「常勤の役員等」に限られます。この「役員」の範囲は法令上きっちり決まっており、肩書きだけでは判断できません。

区分該当する立場
役員に含まれる株式会社の取締役/指名委員会等設置会社の執行役/持分会社の業務を執行する社員/法人格のある各種組合等の理事等/(個人の場合)事業主本人または支配人
原則として含まれない執行役員、監査役、会計参与、監事、事務局長等
例外的に含まれる取締役・執行役に準ずる地位にあり、建設業の経営業務の執行に関して取締役会の決議を経て取締役会または代表取締役から具体的な権限委譲を受けた執行役員等

なお、上記の例外について注意が必要なのは、権限委譲の範囲です。建築部門のみを分掌する、資金・資材調達のみを分掌するといった建設業に関する事業の一部だけを分掌する事業部門への権限委譲では、「これらに準ずる者」には当たりません(建設業許可事務ガイドライン【第7条関係】)。

また「支配人」に当たるかどうかは、商業登記の有無を基準に判断されます。登記していない「支配人」は該当しません。

経管になれるのは誰か?【要件パターン一覧】

要件の全体像は次のとおりです。いずれか1つに該当すれば足ります。

区分要件の概要必要年数
イ(a1)経営経験建設業に関し、経営業務の管理責任者としての経験(取締役・個人事業主・支店長等)5年以上
イ(a2)準ずる地位建設業に関し、経営業務を執行する権限の委任を受けた執行役員等として経営業務を管理した経験5年以上
イ(a3)補佐経験建設業に関し、準ずる地位で経営業務の管理責任者を補佐する業務に従事した経験6年以上
ロ(b1)+補佐者建設業に関し2年以上の役員等経験+5年以上の「役員等または役員等に次ぐ職制上の地位(財務管理・労務管理・業務運営の担当に限る)」の経験建設業2年+通算5年
ロ(b2)+補佐者5年以上の役員等経験(業種不問)があり、うち建設業に関する役員等経験が2年以上通算5年(うち建設業2年)
ハ国土交通大臣がイ・ロと同等以上の経営体制を有すると認定したもの個別認定

パターン1:建設業の経営経験5年以上(イ)

最も一般的なパターンです。建設業を営む会社の取締役や個人事業主として、5年以上の経営経験があれば要件を満たします。なお、改正前は『許可を受けようとする業種』と『経験した業種』が異なる場合は6年の経験が必要でしたが、改正後は業種を問わず5年に統一されました。例えば、電気工事業の経験しかなくても、管工事業の許可申請で経管になれます。

パターン2:常勤役員等+補佐者の組み合わせ(ロ)

令和2年改正で新設されました。上の表のとおり(b1)と(b2)の2類型があり、いずれも財務管理・労務管理・業務運営の各分野で5年以上の経験を持つ直接補佐者を常勤で配置することが条件です。補佐者に求められる5年の経験は、申請する建設業者(または建設業を営む者)における建設業の業務経験に限られる点に注意が必要です(1人が複数分野を兼ねることは可能で、複数分野を担当する地位での経験はそれぞれの業務経験として期間計算できます)。建設業以外の業界から参入する場合や、M&Aで建設会社を取得した場合に活用が想定されています。

ここでいう「直接に補佐する」とは、組織体系上および実態上、常勤役員等との間に他の者を介在させることなく、常勤役員等から直接指揮命令を受けて業務を常勤で行うことをいいます。つまり組織図上、間に部長などが挟まっていると認められません。

パターン3:国土交通大臣の個別認定(ハ)

上記に該当しない場合の例外的なルートです。実務上の利用はごく限られます。

実務ではこういう相談が多い
『改正で補佐者制度ができたと聞いたが、使えるのか?』という質問をよくいただきます。制度としては存在しますが、補佐者にも申請会社での5年以上の常勤での業務経験が必要で、組織図や業務分掌規程・人事発令書の整備も求められます。中小の建設業者では人員的に対応が難しく、実際にはパターン1で申請するケースが大半です。なお大阪府では、イ(a2)・ロ(b1)・ロ(b2)で申請する場合は事前に建設業許可グループへ相談することが求められています。

取締役でなくても経管になれるのか?

なれる場合があります。「経営業務の管理責任者としての経験を有する者」とは、取締役や個人事業主だけでなく、支配人その他支店長、営業所長等、営業取引上対外的に責任を有する地位にあって、建設業の経営業務について総合的に管理した経験を有する者を含みます。

実務でよくあるのが、前職で支店長や営業所長を務めていたケースです。大阪府では、支店長等の経験を証明する書類として次のものが挙げられています。

  • 建設業許可通知書(経験年数分)
  • 建設業許可申請書の一部(受付印または確認印のある表紙、営業所一覧表〈様式第1号別紙2〉、建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表〈様式第11号〉)
  • 変更届の一部(表紙、変更届出書〈様式第22号の2〉、調書〈様式第12号または第13号〉)
  • 決算変更届の一部(直近分)

つまり、前職で令3条使用人(支店長・営業所長)として許可申請書に登録されていたなら、その期間を経管の経験として使える可能性があります。名刺の肩書きが支店長でも、様式第11号に載っていなければ証明は難しくなりますので、在職中に自社の許可申請書の控えを確認しておくことをおすすめします。

複数の経験を合算できるのか?

できます。イの3類型は相互に通算が認められており、必要年数は次のとおりです。

合算する経験の組み合わせ必要な通算経験期間
イ(a1)経営経験 + イ(a2)執行役員等としての経験5年
イ(a1)経営経験 + イ(a3)補佐経験6年
イ(a2)執行役員等としての経験 + イ(a3)補佐経験6年

また、ロ(b1)の「役員等に次ぐ職制上の地位」での経験は、役員等としての経験と併せて5年に達すれば足ります。「役員等に次ぐ職制上の地位」は、その会社の組織体系において役員等に次ぐ役職上の地位にある者をいい、必ずしも代表権を有することは求められません。

経管の「常勤」はどう判断されるのか?

経管は申請会社に『常勤』していなければなりません。常勤とは、本社・本店等において休日その他勤務を要しない日を除き、一定の計画のもとに毎日所定の時間中その職務に従事していることをいいます。テレワークによる従事も、営業所等で職務に従事している場合と同等の職務を遂行でき、所定の時間中に常時連絡を取ることが可能な環境であれば常勤に含まれます(建設業許可事務ガイドライン)。

大阪府の手引きでは、これに加えて報酬が月額10万円以上であることを目安とする旨が明記されています。名目だけ役員に就任させて報酬がほとんど出ていない、という状態では常勤性を否定されます。

常勤性でつまずく典型ケース

ケース取扱い実務上の対応
他社の代表取締役・常勤役員を兼務申請会社での常勤性が否定される他社を退任するか非常勤に変更し、非常勤証明書と申請会社での社会保険加入を示す
建築士事務所の管理建築士を兼務他の法令で専任を要する者との重複のため原則不可専任を要する営業体および場所が同一である場合のみ可
宅建業者の専任の宅地建物取引士を兼務同上同上
役員報酬が月額10万円未満大阪府の目安を下回り、常勤性を疑われる報酬額の見直し、または他の候補者の検討

実務ではこういう相談が多い
『息子に会社を継がせたいが、息子は別の会社の取締役も務めている』という事業承継の相談があります。この場合、息子さんが他社の役員を退任するか非常勤に変更するかしないと、経管の常勤性を満たせません。建設業と不動産業を兼業していて、同じ人が専任の宅地建物取引士を兼ねているというケースも同様です。事業承継は許可要件の整理も含めて、1〜2年前から計画的に進めることをおすすめしています。

経管の申請が通らないのはなぜか|3つの原因

実務で申請が通らない原因は、要件そのものではなく『証明』にあることがほとんどです。特に多いのが次の3つです。

原因1:経験年数の証明書類が揃わない

経管の要件で最も苦労するのが『5年以上の経営経験をどう証明するか』です。経管の要件自体を満たしていても、それを書類で証明できなければ許可は下りません。

法人の役員の場合、大阪府は次の3点を確認し、①②③がすべて重なっている期間を経験年数として認めます。登記簿だけでも、工事の請求書だけでも足りません。

確認する内容法人の役員の場合個人事業主の場合
① 営業の実態法人税の確定申告書のうち別表一・決算報告書所得税の確定申告書のうち第一表
② 営業の実績工事内容・工事期間・請負金額が確認できる契約書・注文書・請求書等(毎年分の代表的な工事)同左
③ 常勤の役員であったこと商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書・閉鎖事項全部証明書)+法人税確定申告書の役員給与等の内訳書(①で確認)

確定申告書は、税務署の受付印または電子申告の受信通知の確認が必要です(令和7年以降の申告分は、税務署の収受日付印の押なつ廃止に伴い受付印は不要とされています)。個人の場合、第一表に受付印がなくても第二表に税理士等の記名押印があれば第二表も併せて提示します。

大阪府の手引きには、次のような具体例が示されています。平成26年4月1日に取締役へ就任していても、確認できた工事の請求書が平成26年8月分からであれば、認められる経験年数は平成26年8月から令和2年1月までの5年5か月となります。就任日から数えるのではない、という点が重要です。

さらに注意したいのが、工事実績の間隔です。各年の確認する工事とその翌年の工事との間隔が1年以上空かないように資料を用意する必要があり、1年以上空いた場合は、その間に経験した他の工事の実績を確認されます。

なお、経験を積んだ会社が過去に建設業許可を受けていた(現在も受けている)場合は、証明が大きく簡略化されます。

  • その会社で過去に経管として証明されている場合:受付印のある許可申請書または変更届の表紙+該当期間の常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書(様式第7号)
  • 経管としては証明されていない役員・個人事業主の場合:上記の書類、または建設業許可通知書(経験年数分)+直近の決算変更届の一部+役員期間分の商業登記簿謄本

実務ではこういう相談が多い
『登記簿に10年間取締役だった記録があるのに、なぜ通らないのか』という相談は多いです。登記簿は役員だった期間を証明するだけで、その間に建設業の経営をしていた証拠にはなりません。確定申告書と工事の契約書類を年度ごとに整理して、3つが重なる期間を作って初めて経験年数として認められます。書類を日頃から整理・保管しておくことが何より重要です。

原因2:個人事業主時代の経験が証明できない

個人事業主としての経験を証明する場合、確定申告書の控え(税務署の受付印またはe-Taxの受信通知付き)が5年分必要です。しかし、古い確定申告書を紛失しているケースは珍しくありません。

紛失した場合は、税務署に『保有個人情報開示請求』を行うことで過去の申告内容を取得できます。ただし、開示までに1か月程度かかるため、許可申請のスケジュールに余裕が必要です。

また、確定申告書だけでなく、工事の請求書と入金が確認できる通帳の写しをセットで用意することで、建設業の営業実績を補強できます。

原因3:常勤性を否定される

他社の役員兼務や、管理建築士・専任の宅地建物取引士との兼務によって常勤性を否定されるケースです。詳細は前述の「経管の『常勤』はどう判断されるのか?」をご覧ください。許可取得後に経管が他社の常勤役員に就任した、というケースも要件欠如につながりますので注意してください。

他社での経験を証明する場合の注意点

前職の会社で取締役をしていた経験を使って経管の要件を満たすケースは、独立開業時や転職後の申請で非常に多いパターンです。この場合、以下の書類が必要になります。

  • その会社の登記簿謄本(閉鎖事項証明書を含む場合あり。発行から3か月以内のものを提示)
  • 経験期間中の営業の実態を示す書類(確定申告書の別表一・決算報告書)
  • 経験期間中の工事実績を示す書類(契約書・注文書・請求書等)
  • 前職の会社が建設業許可を持っていた場合は、その許可通知書の写しまたは様式第7号

前職の会社が存続していれば書類の提供を依頼できますが、円満退社でなかった場合や、すでに倒産・解散している場合は書類の入手が困難になります。ただし、まったく道がないわけではありません。

証明者が確保できないときはどうするか

常勤役員等証明書(様式第7号)の「証明者」は、原則として使用者(法人の場合は代表者、個人の場合は本人)でなければなりません。ただし取扱いには例外が用意されています。

状況取扱い
証明すべき法人が解散等している被証明者と同等以上の役職にあった者を証明者とし、備考欄にその理由を記載する
これらの者の証明も得られない正当な理由があるやむを得ず自己証明を行い、備考欄に理由を記載。必要な場合は事実を証し得る第三者の証明書等を添付する
休職・出向等で経験期間が中断している証明者が同一であれば、経験年数欄に実際の経験期間を別々に明記して1枚の証明書で証明できる

登記簿の閉鎖事項証明書は法務局で誰でも取得できるため、まずは役員期間の確認から始めてください。前職の会社が建設業許可を持っていた事実は、国土交通省の『建設業者・宅建業者等企業情報検索システム』で確認できます。許可業者であった記録が残っていれば、建設業を営んでいた裏付けのひとつになります。

執行役員・部長職だった場合

前職での経験が取締役ではなく『執行役員』や『部長職』だった場合は、『経営業務の管理責任者に準ずる地位』としての扱いになります。

  • イ(a2):5年以上/取締役会設置会社において、取締役会の決議により特定の事業部門に関して業務執行権限の委譲を受ける者として選任され、取締役会が定めた業務執行方針に従って代表取締役の指揮命令のもとに具体的な業務執行に専念した経験
  • イ(a3):6年以上/役員等に次ぐ職制上の地位にあって、建設工事の施工に必要な資金の調達、技術者・技能者の配置、下請業者との契約の締結等の経営業務全般に従事した経験(法人・個人いずれの経験かを問わない)

いずれも、組織図、業務分掌規程、執行役員規程、取締役会議事録、人事発令書などの追加の証明書類が求められ、許可行政庁による個別審査となります。前述のとおり、建築部門のみ・資金調達のみといった一部分掌では(a2)に該当しない点にも注意が必要です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 「経管」と「常勤役員等」は別の要件ですか?

同じ要件です。令和2年10月の建設業法改正で、従来の「経営業務の管理責任者」の要件が「常勤役員等」の設置(建設業法施行規則第7条第1号)として再編されました。実務では今も「経管」という通称が広く使われています。

Q2. 取締役に就任した日から5年経っていれば要件を満たしますか?

就任日からの年数だけでは足りません。大阪府では①確定申告書による営業の実態、②工事の契約書等による営業の実績、③登記簿謄本と役員給与等の内訳書による常勤役員としての地位、の3つを確認し、これらがすべて重なる期間のみを経験年数とします。就任は4月でも、工事の請求書が8月分からしか確認できなければ、起算点は8月になります。

Q3. 建設業以外の会社での役員経験しかなくても経管になれますか?

役員等としての経験だけでは要件を満たせません。役員等の経験が通算5年以上あり、そのうち建設業に関する役員等の経験が2年以上あれば、財務管理・労務管理・業務運営について申請会社で5年以上の経験を持つ直接補佐者を置くことで要件を満たせる可能性があります(ロの類型)。建設業の役員経験がまったくない場合は、この類型でも要件を満たせません。

Q4. 支店長や営業所長としての経験は使えますか?

使える場合があります。営業取引上対外的に責任を有する地位として、支店長・営業所長等の経験も「経営業務の管理責任者としての経験」に含まれます。大阪府では、建設業許可通知書、営業所一覧表(様式第1号別紙2)、令3条使用人の一覧表(様式第11号)などで証明します。前職の許可申請書に令3条使用人として登録されていたかどうかが分かれ目になります。

Q5. 経管はテレワークでも常勤と認められますか?

認められます。営業所等で職務に従事している場合と同等の職務を遂行でき、かつ所定の時間中は常時連絡を取ることが可能な環境で職務に従事していれば、テレワークも常勤に含まれると建設業許可事務ガイドラインに明記されています。ただし大阪府では報酬月額10万円以上が目安とされているなど、他の常勤性の判断要素は変わりません。

Q6. 管理建築士や専任の宅地建物取引士を兼ねている人は経管になれますか?

原則としてなれません。建築士事務所を管理する建築士や宅地建物取引業者の専任の宅地建物取引士など、他の法令で専任を要するものと重複する者は、専任を要する営業体および場所が同一である場合を除き「常勤であるもの」に該当しないとされています。建設業と設計事務所・不動産業を兼業している会社では、しばしば問題になります。

Q7. 経管が退職したら許可はどうなりますか?

後任が不在のままだと要件欠如となり、許可取消しの対象になります(建設業法第29条第1項第1号)。また、経管に変更があったときは常勤役員等証明書(様式第7号)に加えて変更届出書(様式第22号の2)の提出が必要で、大阪府では事実発生後14日以内の届出とされています。退職の予定が分かった時点で要件を満たす後任者を確保し、不在期間が生じないよう準備してください。

Q8. 経管は営業所技術者等(旧・専任技術者)と兼ねられますか?

同一の営業所(原則として本社または本店等)内であれば、1人で経管と営業所技術者等を兼ねることができます。これはイの類型でもロの類型(規則第7条第1号ロ該当の常勤役員等)でも同じです。小規模な会社では代表者が両方を兼ねるケースが一般的です。

まとめ

確認すべきチェックリスト:

  • 経管となる人が建設業の経営経験5年以上を満たしているか(取締役以外に支店長・執行役員・部長職のルートも検討したか)
  • 確定申告書・工事実績・登記簿の3つが重なる期間で5年を確保できているか
  • 各年の工事実績の間隔が1年以上空いていないか
  • 個人事業主の場合、確定申告書の控えが5年分あるか
  • 他社役員との兼務、管理建築士・専任の宅地建物取引士との兼務がないか
  • 役員報酬が月額10万円以上(大阪府の目安)を確保できているか
  • 他社での経験を使う場合、その会社の登記簿謄本(発行から3か月以内)を取得済みか
  • ロの類型で申請する場合、申請時点で直接補佐者を実際に置いているか

建設業許可の経管要件の確認や、経験証明書類の準備のご相談は、行政書士ARISEリーガルオフィスまでお気軽にどうぞ。

参考情報(一次情報)

※本人確認書類・常勤性の確認書類は、健康保険証の廃止を定めるマイナンバー法等の一部改正(令和6年12月2日施行)に伴って見直されています。提出直前に最新の手引きでご確認ください。

最終更新日:2026年9月15日
監修:行政書士 伊敷紀巳雄(行政書士ARISEリーガルオフィス)

建設業許可・経審・外国人雇用などの最新のお役立ち情報を、公開時にメールでお届けします。