はじめに:中古品ビジネスを始める前に確認したい「古物商許可」
大阪府内で中古品の売買、交換、委託販売、委託交換を事業として行う場合、原則として古物営業の許可、いわゆる古物商許可が必要です。
大阪府警察の案内でも、国内で古物の「売買」「交換」「委託を受けて売買」「委託を受けて交換」を行う古物営業を始めるには、古物営業の許可が必要であるとされています。
また、申請書類を提出しただけでは営業を開始できません。大阪府警察のページでは、許可決定の連絡を受けるまでは古物商としての営業活動はできないと案内されています。
この記事では、2026年6月8日時点で確認した大阪府警察の公表ページをもとに、行政書士の視点から、古物商許可申請の流れ、必要書類、手数料、注意点を整理します。
古物商許可が必要になる主な取引
古物商許可が問題になるのは、単に「中古品を扱う」場合だけではありません。事業として、反復継続して古物の取引を行う場合には、許可の要否を確認する必要があります。
- 中古品を仕入れて販売する
- リサイクルショップを開業する
- 中古ブランド品、時計、カメラ、スマートフォン等を販売する
- 古物を買い取ってインターネットで販売する
- オークションサイトやECサイトで中古品を継続的に販売する
- 委託を受けて中古品を販売する
- 法人として中古品買取・販売事業を始める
一方、自分が使用していた私物を単発で売却するような場合は、通常の古物営業とは区別して考えます。実務では、仕入れの有無、反復継続性、営利目的、販売方法などを総合的に確認します。
申請先:主たる営業所を管轄する警察署
大阪府で古物商許可を申請する場合、申請窓口は主たる営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課保安係です。
大阪府警察のページでも、申請場所の間違いが増えているとして、管轄警察署の確認が案内されています。
特に注意したいのは、申請者の住所地ではなく、主たる営業所の所在地を基準にする点です。個人事業主で自宅を営業所にする場合と、店舗・事務所を別に借りる場合では、管轄警察署が変わることがあります。
手数料:大阪府警では19,000円
大阪府警察の案内では、古物商許可申請の手数料は19,000円です。申請時に警察署会計係窓口で支払う扱いとされています。
注意点として、不許可となった場合や、申請を取り下げた場合でも、手数料は返却されません。そのため、申請前に営業所、管理者、必要書類、欠格事由、URL届出の有無などを確認してから提出することが重要です。
許可証の交付までの期間
大阪府警察のページでは、申請からおおむね40日以内に、申請場所の警察署から許可・不許可の連絡をすると案内されています。
ただし、書類の不備、添付書類の不足、差し替え等があった場合は、遅れる場合があります。店舗オープン日、ECサイト公開日、買取開始日から逆算して準備することが大切です。
必要書類の全体像
大阪府警察のページでは、許可申請書と添付書類が案内されています。個人申請と法人申請で必要書類が異なるため、最初に申請区分を整理します。
申請書類
- 別記様式第1号その1(ア)
- 別記様式第1号その1(イ)
- 別記様式第1号その2
- 別記様式第1号その3
- 別記様式第1号その4
個人申請では不要となる様式、法人申請で必要となる様式、営業所の数によって必要となる様式があります。法人の役員が複数いる場合や営業所が複数ある場合は、必要枚数にも注意が必要です。
添付書類
- 法人の登記事項証明書
- 法人の定款
- 住民票
- 身分証明書
- 略歴書
- 誓約書
- URLを届け出る場合の資料
- 委任状
法人申請の場合は、監査役以上の役員全員と営業所の管理者について、住民票、身分証明書、略歴書、誓約書などが必要になる点に注意が必要です。
管理者の選任が必要
古物の営業所には、業務を適正に管理するための責任者として、営業所ごとに1名の管理者を選任しなければなりません。
大阪府警察の案内では、職名は問わないものの、その営業所の古物取引に関して管理・監督・指導ができる立場の方を選任するよう示されています。また、遠方に居住している、勤務場所が違うなど、その営業所で勤務できない方を管理者に選任することはできません。
住民票・身分証明書・略歴書の注意点
住民票
住民票は、本人の住所を明らかにするための書類です。本籍、外国人の方については国籍等が記載され、個人番号の記載がないものを提出するよう案内されています。
身分証明書
身分証明書は、日本国籍を有する方のみ必要です。本籍地の市区町村が発行する書類で、運転免許証やマイナンバーカードの写しとは別の書類です。
略歴書
略歴書には、最近5年間の略歴を記載します。5年以上前から経歴に変更がない場合は、最後の経歴を記載し、「以後変更ない」「現在に至る」などと記載する扱いが案内されています。
誓約書は古物営業法第4条との関係が重要
誓約書は、古物営業法第4条の許可の基準に該当しない旨を誓約する書面です。
個人申請で申請者本人が管理者を兼ねる場合には、個人用と管理者用の2種類の誓約書を提出する必要があります。法人申請で代表者や役員の中に営業所の管理者を兼ねる方がいる場合も、その方について法人役員用と管理者用の2種類の誓約書を提出する必要があります。
インターネット販売をする場合はURL届出も確認
ウェブサイトを開設して古物の取引を行う場合や、オークションサイトにストアを出店する場合は、URLの届出が必要です。
大阪府警察のページでは、URLの割当て通知書等のコピー、またはドメイン検索・WHOIS検索の結果画面を印刷したものを添付するよう案内されています。
ドメインの登録内容が、個人許可の場合は本人、法人許可の場合は法人名・代表者名・管理者名で登録されていることが確認できる内容であることが必要です。URLの登録者が第三者の場合は、使用承諾書の添付も必要です。
本人以外が提出する場合の委任状
本人以外が申請書を提出する場合は、委任状が必要です。行政書士等の第三者に申請を依頼する場合はもちろん、法人申請で社員の方が申請書を持参する場合は、社員証等、社員であることを証明するものを持参するよう案内されています。
実務チェックリスト
- 古物商許可が必要な取引か確認する
- 個人申請か法人申請かを決める
- 主たる営業所の所在地と管轄警察署を確認する
- 営業所ごとに管理者を選任する
- 住民票に本籍または国籍等が記載されているか確認する
- 住民票に個人番号が記載されていないか確認する
- 身分証明書を本籍地の市区町村で取得する
- 略歴書に最近5年間の経歴を記載する
- 誓約書の種類を個人用・法人役員用・管理者用で確認する
- インターネット販売を行う場合はURL届出資料を確認する
- 第三者が提出する場合は委任状を準備する
- 申請手数料19,000円を準備する
- 許可連絡前に営業を開始しない
よくある不備・注意点
1. 申請先の警察署を間違える
申請先は、主たる営業所の所在地を管轄する警察署です。自宅住所や法人本店所在地と営業所所在地が異なる場合は、特に注意が必要です。
2. 身分証明書を本人確認書類と勘違いする
古物商許可申請でいう身分証明書は、本籍地の市区町村が発行する書類です。免許証やマイナンバーカードとは異なります。
3. 管理者の誓約書が不足する
申請者や法人役員が管理者を兼ねる場合、役割ごとに必要な誓約書を確認する必要があります。
4. URL届出資料の名義が一致しない
インターネット販売を行う場合、URLの登録者情報が申請者や法人等と一致しているかを確認します。第三者名義の場合は、使用承諾書が必要です。
5. 許可前に営業を始めてしまう
申請書を提出しても、許可決定の連絡を受けるまでは古物商として営業活動はできません。買取開始日やサイト公開日は、許可後に設定するのが安全です。
まとめ:古物商許可は「書類集め」より先に営業内容の整理が重要
古物商許可申請では、申請書を作る前に、どこを営業所にするのか、誰を管理者にするのか、どのような古物を扱うのか、インターネット販売を行うのかを整理することが重要です。
大阪府警察の案内では、申請場所、手数料、処理期間、必要書類、管理者、URL届出などが具体的に示されています。行政書士の実務では、営業所・管理者・URL・法人役員構成・欠格事由の確認を一体で確認し、不備や手戻りを防ぐことが大切です。