大阪府で古物商許可を申請する方向けに、申請先、手数料、処理期間、必要書類、管理者、URL届出の注意点を行政書士の視点で整理します。

【結論】大阪府で中古品の売買・交換・委託販売を事業として行うには、主たる営業所を管轄する警察署(生活安全課保安係)に申請し、古物営業法に基づく古物商許可を受ける必要があります。手数料は19,000円、審査期間は申請から概ね40日で、許可の連絡を受けるまでは営業できません。個人申請では住民票・身分証明書・略歴書・誓約書、法人申請ではこれに登記事項証明書・定款が加わり、営業所ごとに管理者を選任し、ネット販売をする場合はURLの届出も必要です。

古物商許可とは?大阪府で必要になる取引

古物商許可とは、古物営業法に基づき、古物の「売買」「交換」「委託を受けて売買」「委託を受けて交換」を業として行うために、営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会から受ける許可のことです。大阪府では警察署が申請窓口になります。

古物とは、一度使用された物品、使用されない物品で使用のために取引されたもの、またはこれらに幾分の手入れをしたもののことです(大阪府警察Q&A)。商品券や乗車券などの金券類も含まれます。

また、申請書類を提出しただけでは営業を開始できません。大阪府警察のページでは、許可決定の連絡を受けるまでは古物商としての営業活動はできないと案内されています。

この記事では、2026年9月5日時点で再確認した大阪府警察の公表ページをもとに、行政書士の視点から、古物商許可申請の流れ、必要書類、手数料、注意点を整理します。

許可が必要になる主な取引

  • 中古品を仕入れて販売する
  • リサイクルショップを開業する
  • 中古ブランド品、時計、カメラ、スマートフォン等を販売する
  • 古物を買い取ってインターネットで販売する
  • オークションサイトやECサイトで中古品を継続的に販売する
  • 委託を受けて中古品を販売する
  • 法人として中古品買取・販売事業を始める

一方、自分が使用していた私物を単発で売却するような場合は、通常の古物営業とは区別して考えます。実務では、仕入れの有無、反復継続性、営利目的、販売方法などを総合的に確認します。

申請先はどこか?主たる営業所を管轄する警察署

大阪府で古物商許可を申請する場合、申請窓口は主たる営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課保安係です。受付時間は平日の午前9時から午後5時までです(令和5年10月2日から変更)。

大阪府警察のページでも、申請場所の間違いが増えているとして、管轄警察署の確認が案内されています。

特に注意したいのは、申請者の住所地ではなく、主たる営業所の所在地を基準にする点です。個人事業主で自宅を営業所にする場合と、店舗・事務所を別に借りる場合では、管轄警察署が変わることがあります。

手数料と審査期間はどれくらいか?

項目内容
申請手数料19,000円(申請時に警察署会計係窓口で支払い)
手数料の返還不許可・取下げの場合も返還されない
標準処理期間申請から概ね40日以内に許可・不許可の連絡
遅れる要因書類の不備、添付書類の不足、差し替え等
営業開始許可決定の連絡を受けた後

不許可となった場合や申請を取り下げた場合でも手数料は返却されないため、申請前に営業所、管理者、必要書類、欠格事由、URL届出の有無などを確認してから提出することが重要です。店舗オープン日、ECサイト公開日、買取開始日から逆算して準備しましょう。

必要書類は何か?【個人・法人別一覧】

大阪府警察のページでは、許可申請書と添付書類が案内されています。個人申請と法人申請で必要書類が異なるため、最初に申請区分を整理します。

申請書類(別記様式第1号)

様式個人法人内容
その1(ア)必要必要申請者の基本事項
その1(イ)不要必要役員の継続用紙(1枚3名、代表者1名の法人は不要)
その2必要必要主たる営業所の事項
その3必要必要その他の営業所の事項(営業所1か所なら不要)
その4必要必要ウェブサイト等利用の有無

添付書類

書類個人法人
登記事項証明書不要必要
定款不要必要
住民票本人と営業所の管理者監査役以上の役員全員と営業所の管理者
身分証明書同上(日本国籍の方のみ)同上(日本国籍の方のみ)
略歴書同上同上
誓約書同上同上
URL届出資料必要な場合あり必要な場合あり
委任状本人以外が提出する場合本人以外が提出する場合

法人申請の場合は、監査役以上の役員全員と営業所の管理者について、住民票、身分証明書、略歴書、誓約書が必要になる点に注意が必要です。

管理者とは?営業所ごとに1名の選任が必要

管理者とは、古物の営業所において業務を適正に管理するための責任者のことで、営業所ごとに1名を必ず選任しなければなりません。

大阪府警察の案内では、職名は問わないものの、その営業所の古物取引に関して管理・監督・指導ができる立場の方を選任するよう示されています。また、遠方に居住している、勤務場所が違うなど、その営業所で勤務できない方を管理者に選任することはできません。

住民票・身分証明書・略歴書の注意点

住民票

住民票は、本人の住所を明らかにするための書類です。本籍、外国人の方については国籍等が記載され、個人番号の記載がないものを提出するよう案内されています。

身分証明書

身分証明書は、日本国籍を有する方のみ必要です。本籍地の市区町村が発行する、準禁治産者・破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しないことを証明する書類で、運転免許証やマイナンバーカードの写しとは別の書類です。

略歴書

略歴書には、最近5年間の略歴を記載します。5年以上前から経歴に変更がない場合は、最後の経歴を記載し、「以後変更ない」「現在に至る」などと記載する扱いが案内されています。

誓約書は古物営業法第4条との関係が重要

誓約書は、古物営業法第4条の許可の基準(欠格事由)に該当しない旨を誓約する書面です。欠格事由には、拘禁刑以上の刑に処せられて5年を経過しない者などが含まれます(2025年6月1日の改正刑法施行により「禁錮」から「拘禁刑」に表記が変わっています)。

個人申請で申請者本人が管理者を兼ねる場合には、個人用と管理者用の2種類の誓約書を提出する必要があります。法人申請で代表者や役員の中に営業所の管理者を兼ねる方がいる場合も、その方について法人役員用と管理者用の2種類の誓約書を提出する必要があります。

インターネット販売をする場合はURL届出も確認

ウェブサイトを開設して古物の取引を行う場合や、オークションサイトにストアを出店する場合は、URLの届出が必要です。

大阪府警察のページでは、URLの割当て通知書等のコピー、またはドメイン検索・WHOIS検索の結果画面を印刷したものを添付するよう案内されています。

ドメインの登録内容が、個人許可の場合は本人、法人許可の場合は法人名・代表者名・管理者名で登録されていることが確認できる内容であることが必要です。URLの登録者が第三者の場合は、使用承諾書の添付も必要です。

本人以外が提出する場合の委任状

本人以外が申請書を提出する場合は、委任状が必要です。行政書士等の第三者に申請を依頼する場合はもちろん、法人申請で社員の方が申請書を持参する場合は、社員証等、社員であることを証明するものを持参するよう案内されています。なお、持参者は営業内容等について答えられる方であることが求められています。

実務チェックリスト

  • 古物商許可が必要な取引か確認する
  • 個人申請か法人申請かを決める
  • 主たる営業所の所在地と管轄警察署を確認する
  • 営業所ごとに管理者を選任する
  • 住民票に本籍または国籍等が記載されているか確認する
  • 住民票に個人番号が記載されていないか確認する
  • 身分証明書を本籍地の市区町村で取得する
  • 略歴書に最近5年間の経歴を記載する
  • 誓約書の種類を個人用・法人役員用・管理者用で確認する
  • インターネット販売を行う場合はURL届出資料を確認する
  • 第三者が提出する場合は委任状を準備する
  • 申請手数料19,000円を準備する
  • 許可連絡前に営業を開始しない

よくある不備・注意点

1. 申請先の警察署を間違える

申請先は、主たる営業所の所在地を管轄する警察署です。自宅住所や法人本店所在地と営業所所在地が異なる場合は、特に注意が必要です。

2. 身分証明書を本人確認書類と勘違いする

古物商許可申請でいう身分証明書は、本籍地の市区町村が発行する書類です。免許証やマイナンバーカードとは異なります。

3. 管理者の誓約書が不足する

申請者や法人役員が管理者を兼ねる場合、役割ごとに必要な誓約書を確認する必要があります。

4. URL届出資料の名義が一致しない

インターネット販売を行う場合、URLの登録者情報が申請者や法人等と一致しているかを確認します。第三者名義の場合は、使用承諾書が必要です。

5. 許可前に営業を始めてしまう

申請書を提出しても、許可決定の連絡を受けるまでは古物商として営業活動はできません。買取開始日やサイト公開日は、許可後に設定するのが安全です。

よくある質問(FAQ)

Q. 自分で使っていた物をフリマやオークションで売るだけでも許可は必要ですか?

A. 自己使用していた物や、自己使用のために買った未使用品を売却するだけであれば、許可は不要です。ただし、転売目的で古物を仕入れて売る場合は許可が必要です。

Q. 大阪府で取った古物商許可は他府県でも有効ですか?

A. 有効です。主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会の許可を受ければ、他府県に営業所を新設する場合は営業所新設の届出(と管理者の届出)で足り、都道府県ごとの許可は不要です。

Q. 個人で許可を持っていますが、法人化した場合はそのまま使えますか?

A. 使えません。個人の許可はその方個人のものなので、法人として新たに許可を取得する必要があります。個人許可のまま法人で営業すると無許可営業になります。

Q. 無許可で古物営業をするとどうなりますか?

A. 古物営業法第31条により、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります。処罰を受けると、その後5年間は許可を受けられない欠格事由にも該当します。

Q. 無償で引き取った中古品を売る場合も許可が必要ですか?

A. 全くの無償で引き取ったものや、処分手数料を受け取って引き取ったものを売る場合は、古物商許可は不要です(廃棄物処理法上の許可が別途必要になる場合があります)。

まとめ:古物商許可は「書類集め」より先に営業内容の整理が重要

古物商許可申請では、申請書を作る前に、どこを営業所にするのか、誰を管理者にするのか、どのような古物を扱うのか、インターネット販売を行うのかを整理することが重要です。

大阪府警察の案内では、申請場所、手数料、処理期間、必要書類、管理者、URL届出などが具体的に示されています。行政書士の実務では、営業所・管理者・URL・法人役員構成・欠格事由の確認を一体で確認し、不備や手戻りを防ぐことが大切です。

参考情報

最終更新日:2026年9月28日
監修:行政書士 伊敷紀巳雄(行政書士ARISEリーガルオフィス)

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