建設業許可を行政書士に依頼するときは、『行政に納める申請手数料』『行政書士の報酬』『証明書などの実費』を分けて見積もりを確認してください。大阪府知事許可の新規申請では、一般建設業のみの場合、申請手数料は9万円です。これだけで行政書士への依頼費用がすべて収まるわけではありません。
『安いと思って問い合わせたら、別料金が多かった』『どこまで自分で書類を集めるのか分からない』。こうした行き違いを防ぐには、金額と一緒に、誰が何を担当するのかを見ることが大切です。この記事では、大阪で建設業許可の取得を考えている方に向けて、見積もりの比較方法と相談前の準備を説明します。
建設業許可の費用は3つに分けて考える
1.行政に納める申請手数料
大阪府の公表資料では、一般建設業のみ、または特定建設業のみを単独で申請する場合の手数料は、次のとおりです。
- 新規申請:9万円
- 更新申請:5万円
- 業種追加:5万円
一般・特定の両方を申請する場合や、業種追加と更新などを組み合わせる場合は金額が異なります。大臣許可や他府県への申請に、この金額をそのまま当てはめないでください。申請区分を確認したうえで、大阪府の手数料一覧と照合します。
2.行政書士に支払う報酬
報酬の比較では、提示額に含まれる業務を確認しましょう。要件の事前確認、必要資料の整理、申請書作成、提出、審査中の補正対応などのうち、どこまで依頼するかで見積もりの前提が変わります。
料金表の『新規申請○万円から』だけでは、自社の総額は確定しません。法人・個人の別、希望業種、技術者の資格、経営経験を確認できる資料の有無などを伝え、自社の条件を反映した見積書を受け取ることをおすすめします。税込みか税別かも併せて確認してください。
3.証明書の取得費や郵送費などの実費
登記事項証明書、身分証明書、納税証明書など、必要となる証明書の取得費は報酬と別に請求されることがあります。証明書を取得するための代行報酬と、発行機関に支払う手数料も区別が必要です。
見積書には、『行政への手数料』『報酬』『実費の見込み』『追加になる条件』を分けて記載してもらうと、依頼後の支出を把握しやすくなります。
『相場より安いか』の前に、見積もりで確認したい5項目
複数の事務所に相談する場合も、比較する条件をそろえることが先です。次の質問に具体的な回答があるかを確認してください。
- 許可要件の確認は、依頼前にどこまで行いますか?
相談時の聞き取りだけか、資格証や過去の資料も確認するか。見積もり時点で未確認の事項を明らかにします。 - こちらが集める資料と、代行してもらう資料は何ですか?
社内にしかない契約書・請求書等は、依頼後も会社側で探す必要があります。『丸投げ可能』という表現だけで判断せず、分担を確認します。 - 審査中に追加説明や修正を求められた場合も含まれますか?
通常の補正対応と、申請内容の変更・別手続きの追加を分け、追加報酬が発生する条件を確認します。 - 相談から申請まで、どの作業にどれくらい時間が必要ですか?
資料収集、申請書作成、行政の審査は別の工程です。希望する受注時期を伝え、現時点で見通せる範囲を説明してもらいます。 - 途中で申請を見送る場合の費用はどうなりますか?
着手金、調査済み業務の精算、解約条件、実費の扱いを契約前に確認します。報酬の返金条件と行政手数料の扱いを混同しないことも大切です。
同じ新規申請でも、準備の負担が変わる理由
建設業許可では、申請書の欄を埋めるだけでなく、要件を満たすことを資料で確認できる必要があります。大阪府の手引きも、許可要件と、申請の事前準備・記載方法を分けて案内しています。
たとえば、営業所技術者等について資格による確認を検討できる場合と、過去の実務経験を資料で示す必要がある場合では、準備する資料の性質が異なります。また、経営経験があっても、その期間や立場を確認できる資料が見つからなければ、追加の整理が必要です。
『経験があるか』と『申請に必要な形で説明・証明できるか』は、分けて考える必要があります。行政書士へ早めに相談する意味は、資料を大量に集め始める前に、何を確かめるために、どの資料が必要なのかを整理できることにあります。
個別の要件は、経管(常勤役員等)と経験証明、営業所技術者等の要件・実務経験の記事も参考にしてください。
費用を抑えるなら、申請区分と資料の所在を先に整理する
準備の手戻りを減らすために、最初の相談では次の情報を伝えてください。すべての証明書を先に取得する必要はありません。まず『何が手元にあるか』を把握するところから始めます。
- 会社・事業の基本情報:法人か個人か、主な営業所の所在地、創業・設立の時期
- 取得したい目的:元請から許可を求められた、新しい工事を受注したい、業種を増やしたいなど
- 実際の工事内容:工事名だけでなく、施工内容や請負の範囲が分かる説明
- 人員の状況:経営に携わってきた方の経歴、技術者候補の資格と勤務状況
- 資料の所在:過去の申告書、決算書、工事契約書・請求書、資格証などが残っているか
- 既存の許可と希望時期:許可があれば番号・期限・業種、いつまでの取得を希望するか
特に、以前の勤務先での経験を使いたい場合や、過去の書類がそろっていない場合は、最初にその事情を伝えてください。必要な証明方法を確認してから収集に進む方が、不要な取得費や探し直しを抑えやすくなります。
行政書士に依頼する価値は、書類作成の代行だけではない
自社で申請を進める選択肢もあります。ただし、現場管理や見積もりと並行して、手引きの確認、資料収集、窓口への確認を担当する時間が取れるかを考えておきましょう。
依頼先を選ぶ際は、価格だけでなく、自社の状況を踏まえて『確認済みのこと』『まだ足りないこと』『次にすること』を説明してくれるかを見てください。説明が具体的であれば、社内で誰に何を頼めばよいかも判断しやすくなります。
また、今回の見積もりが許可取得までのものなのか、その後の変更届や更新の相談まで含むのかも確認しましょう。取得後の手続きまで当然に含まれると思い込まず、必要な支援を選ぶことが大切です。
よくある質問
行政書士に依頼すれば必ず許可が取れますか?
依頼したこと自体で許可が保証されるわけではありません。要件と確認資料を確かめ、判断が必要な点は申請先への確認を含めて整理します。費用をかける前に、現在の資料で何が確認できるのかを相談してください。
見積もりだけでも相談できますか?
行政書士ARISEリーガルオフィスでは、初回相談・お見積もりを無料で受け付けています。希望する工事の内容、営業所の所在地、資格や経験の状況、希望時期をお知らせください。
書類がそろっていなくても相談できますか?
はい。最初から申請書類を一式そろえる必要はありません。手元にある資料と、見つからない資料を区別してお知らせください。正式な見積もりや申請の見通しを出すために、追加確認が必要になる場合はあります。
大阪・関西の建設業許可は、費用と準備を一緒にご相談ください
『いくらかかるか』は、『どの申請を、どの資料で進めるか』が分かると具体的になります。ご依頼前に、許可取得に向けた確認事項と担当範囲を整理し、納得できる見積もりで進めることが大切です。
行政書士ARISEリーガルオフィスは、大阪・兵庫・奈良・和歌山・京都の建設業者様を対象に、建設業許可の新規取得・更新・業種追加をサポートしています。まずは所在地・工事内容・取得希望時期の3点を添えてご相談ください。資格や経験、資料の状況を伺い、必要な準備と費用をご案内します。
出典・参考資料
- 大阪府『大阪府手数料(Pos)納付用連絡票』(申請区分ごとの手数料)
- 大阪府『建設業許可申請の手引き』令和8年3月改訂版(第2章・第3章。必要な要件、事前準備と記載例)
最終更新日:2026年9月29日
監修:行政書士 伊敷紀巳雄

